アーシング@パジェロイオ 準備編(017)

もうそろそろ2回目の車検を受けなくてはならない愛車パジェロイオのエンジンは1800cc。オフ車なのに、発売当初からトルク不足が弱点とされてきたクルマです。マイペースで気が長い方の人間であると自負する私でも、このトルク不足からくる出足の遅さには我慢ができなくなってきました。でも、どうすればいいのか...。とか、悩みながらWEBで調べているうちに興味がひかれたのがアーシングでした。現在ではディーラーオプションにも用意されているというアレです。作業も難しくなさそうだし、トルクアップの効果も期待できるとのこと。ヤバかったら外せば元に戻るだろう、などど気楽に構え、やっちゃうことにしました。車検にもひっかからないので、余計な心配も無用です。クルマの日常点検程度しかやったことがなかった私でも、なんとかできたライトチューンです。そして、アーシングは基本的に自己責任でお願いします。そこらへんをグルッとひっくるめて、さぁどうぞ。

アーシング紹介サイトとその効果

アーシングが分からないと話が進まないので、知らない方は以下のサイトへいってらっしゃい。これで満足できない方々は、「アーシング」でググりましょう。金太さんの「ヘタのなんとか」は大変参考にさせてもらいました。どうもありがとうございました。

>> AIC Station アーシング
http://www.aic.gr.jp/car/earthing/index.shtml

>> ヘタのなんとか『アーシングしてみよう!』
http://nori373.xrea.jp/pajero/diy/earthing.htm

具体的な効果としては、トルク上昇、燃費改善、エンジン音低減、オーディオ音質向上、ヘッドライト等電装品の性能上昇などがあるといわれています。ですが、これらの効果の多くはハッキリと数値で出てこないので、「本当に」「どれだけ」効果があるのかが不明確で怪しさ漂う改造方法であることも確かです。それらを承知の上で取り組むようにしてください(当方で責任は負いかねます。ご了承ください。)。

市販のアーシングキットもOKです

オートバックスのガソリン節約省燃費特集などにあるように、市販のアーシングキットがカー用品専門店で販売されています。測定・採寸や加工作業に時間がとれない方は、こういう商品を利用されてはいかがでしょう?

面倒なのが嫌なので、私もいくつかのアーシングキットをチェックしました。仕上げもきれいだし、使えそうだったので悩んだのですが、ケーブルが割高だったので、自作することにしました。ですが、工具まで揃えると費用はほとんど変わらないと思います。最初から長さが決まっているので、長さをちゃんとチェックしてもらえば、市販のアーシングキットは手軽にできて便利だと思います。

施工前に電圧降下測定

アーシング施工前に必ずやって欲しいのが、電圧降下の測定です。これをやっておけば、アーシングの効果が体感できるか、できないかがある程度分かると思います。

アーシングは、古いクルマの方が効果が高いと言われています。最新モデルでは、効率良くアースの設計がされているので、アース線を追加したところで大した効果が望めない場合があるのです。無駄な作業をしないためにも、事前測定を必ず行って下さい。

測定方法は、エンジンをかけて運転時と同じ状態でやるのが一番よいそうですが、今回はご近所迷惑になってしまうので、キーの位置をACC(アクセサリ)にして測定しました。測定器具はクランプメータを使用しましたが、直流の電圧と電流が測れるテスターがベストです。測定箇所は、バッテリーマイナスターミナルとエンジンルーム各所の間です。メーカー標準アース用の取付ボルトには、頭に"E"のマークがあります。

図:エンジンルーム 図:ドライバBOX周辺図:右ライト図:カバーを外したエンジン

今回の実例1件から導き出した結果、アーシング効果の有無を判断する目安としては、キー位置がACCの場合、電圧降下が7mV(ミリボルト)前後あれば効果を体感できると思います。私の場合は、それなりに体感できて、施工後の運転も結構変わりました。

アーシングをすると電圧降下は1mV台になります(具体的な結果は次回掲載)ので、施工前に4mV程度(テキトーな判断ですので疑うこと)しかないのなら、すでにアースの状態はかなり良好といえます。アーシング効果は多少はあっても、劇的ではないかもしれません。

この結果をふまえて、アーシングをすることに決めたならば、アーシングポイントと経路の決定をして、必要となるケーブル長の測定をしておきましょう。ケーブル購入時に必要です(パジェロイオの実測ケーブル長は次回掲載)。

必要な工具、材料とケーブル選定

必要な工具は、圧着工具、ペンチ、スパナやラチェット、金(かな)のこぎり、カッター。材料はケーブル(8sq)、圧着端子、インシュロック、ボルト等。測定器具としてテスターが必要です。

パジェロイオで使用した材料の数量

  • ケーブル(8sq)... 約5m
  • 圧着端子
    8-6 ... 15個(ケーブル太さ8sq、端子穴径M6ボルト用)
    8-8 ... 1個(ケーブル太さ8sq、端子穴径M8ボルト用、ドライバBOX下の標準アース用)
  • ボルトナットセット
    M6×80 ... 1個(バッテリーターミナル用、ナット等不要)
    M6×30 ... 1個(オルタネータ用、ワッシャー、スプリングワッシャー、ナット必要)
  • インシュロック 3個

材料費は総額2300円(税込)ぐらいでした。お手ごろでしょ?

  • ケーブル ... 5m × 250円/m = 1250円
  • 圧着端子 ... 5袋 × 150円/袋 = 750円(1袋に4個入り)
  • ボルト等 ... 約200円(失敗分も含む...)
写真:必要な工具とクランプメータ 必要な工具とクランプメータ

ケーブルは電線屋さんに行くと、曲げやすくて扱いやすいアーシング用のものが数種類あります。太さは、8sq(スクエア)、14sq、22sqの3種類がアーシングに用いられ、他にケーブルと被覆の材質による計3つの違いがあります。高い効果を得たいのなら極太22sqを使うのも良いですが、安価な8sqでも効果は十分です。いろんな意味でイオ程度のクルマであれば、8sqでももったいないかもしれません。被覆も見た目のカッコよさだけでなく、耐熱温度に注意して下さい。100℃前後のものでないと炎上する恐れがありますヨ。

購入する時に「5m(メーター)下さい」と頼むと、ある程度、余分に切ってくれます。女の子が頼むと6mぐらいになるかもしれません(笑)。この余分な長さが、やり直さなくてはならない時にとても助かりますので、大事に保管しておきましょう。

ボルトの材質は、メッキボルトで十分だと思います。今回、バッテリーターミナル用にはちょっとだけ奮発してステンレス製を使用したのですが、マイナスターミナルに取り付けるのでメッキボルトでも錆びないはずですし、ステンレスでは電気抵抗が少し高くなってしまうようです。

ちなみに私は、秋葉原の以下の各店舗で主な材料を揃えました。参考までに紹介します。

>> 愛三電機株式会社(圧着工具購入)
http://www.aisan.co.jp/

>> 九州電気株式会社(ケーブル購入:秋葉原ホームページから探して下さい)
http://www.akiba.or.jp/

>> 東映無線(株)ラジオデパート店(クランプメータ購入:東京ラジオデパートホームページから探して下さい)
http://www.toradi.com/

オートバックスドットコム

【2007/12/05 追記】
アーシングしてから4年間以上、乗り続けてみた感想ですが、燃費はほぼ変化無しです。残念ではありますが、中低速でのトルクが少し強くなった印象はあるので、多少乗りやすくなったとは思います。アーシング@パジェロイオ 実践編(018)」もご覧ください。

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