アーシング@パジェロイオ 実践編(018)

前レポートの電圧降下測定と材料調達が完璧に遂行できたら、次のミッションは取付あるのみです!そのまた次のミッションはエンジンかけてテストするのみです!!そのテストが終わったら後片付けをちゃんとしてから、ご近所グルグルして効果を体感するのみです!!!くれぐれも気合十分で、いきなり峠などに繰り出さないように。効果が体感できたからといって、アクセル踏み込む快感に溺れないように。そして、アーシングは完璧な自己責任の下で行うことも忘れないように。いろんなドキドキを胸に秘め、アーシングの世界をさぁ堪能しましょう。ウヒッ。

パジェロイオのアーシング経路

ケーブルのつなぎ方には2種類あります。1つは、マイナスターミナルと各アーシングポイントを全て直接接続する方法。もう1つは、マイナスターミナル~アーシングポイント間が長い場合には、適当なアーシングポイントを使って中継させてしまう方法です。

理想的なのは、全て直接接続する方法なのですが、重複する経路が生じ、ケーブル長さがより必要になります。また、ケーブルを長く走らせているため、ノイズを拾う恐れがあるという話も聞きますが、これはごく微弱でしょうから一般車では無視してもいいでしょう。経済的に許せば、こちらを実行して下さい。

今回は、経済的に許さないわけではないのですが(本当に?)、アーシング効果にわずかに疑問が残っていたため、効果が薄かった時の経済的ダメージを減らしたかったので、マイナスターミナルから遠いアーシングポイントは中継させて接続しました。結果的には、この方法でも良好な結果が得られます。後述の電圧降下結果を見れば分かりますが、左右ヘッドライトの測定結果は、ほぼ同じ値でしたので。

具体的な経路と、各ケーブル長は写真を参照して下さい。ケーブル長は、多少長めに記載しています。実際に接続する時に、実測に基づいて長さを調整して下さい。

図:パジェロイオのアーシング経路
場所 図中の色別 使用ケーブル長さ
エンジン前部 0.4 m
エンジン左上部 0.35 m
ドライバBOXブラケット 0.35 m
ワイヤーブラケット標準アースポイント 水色 0.3 m
オルタネータブラケット ピンク 0.35 m
ボディ標準アースポイント 1.3 m
右ライト 深緑 0.7 m
左ライト 薄緑 1.2 m
  合計 4.95 m

ポイント別アーシング作業の説明

写真:アクセルワイヤーブラケットのアーシングポイント
アクセルワイヤーブラケットのアーシングポイント(M8ボルト)

アーシングの基本として、ボルトの頭に"E"マークのある既に標準で行われているアーシングポイントの強化がありますので、それからやっていきます。2ヶ所ありますが要注意なのは、ドライバBOX下にあるアクセルワイヤーと思われるワイヤーを固定しているブラケットのアーシングポイントです。ここだけはM8ボルトが使用されているので、圧着端子のボルト用穴径に気をつけて下さい。他は全てM6ボルトが使用されています。なんでここだけM8?謎。

写真:オルタネータ周辺
オルタネータ取付ブラケットにある穴を利用する。ボルト落下に注意。

その他は、前回の電圧降下測定点と同じ場所にアーシングしました。ほとんどが既存のボルトを一度外し、端子を加えて、また締め直すだけです。唯一ボルトがなく、ボルトを追加した所は、オルタネーターのブラケットの部分。M6ボルトナットセットを買ってきて、ブラケットの穴を利用して取り付けています。

ここはエンジンに近く、強い振動が常に起こっているので、ゆるみ止めのための平座金とスプリングワッシャーを必ず使用し、ボルトを下から穴に差し込んで固定して下さい。まぁ、こうしないと取り付けられないでしょうが...。


先が潰されているので切断

あと、テクニカルなのが、左右のヘッドライト裏で集中してボディアースが取られている所とエンジンカバー左上の取付ボルトを利用してアーシングした所です。ヘッドライト裏は非常に狭くて、スパナでは作業が困難です。手持ちのラチェットでなんとか出来ましたが、それでも無理なら、周囲にあるバッテリーなどを外さないといけないかもしれません。エンジンカバーの取付ボルト部分は、端子をひねったりして工夫して取り付けて下さい。ここは取付スペース自体が狭いので、取付方法が限られています。

写真:バッテリーマイナスターミナル 長ボルト使用法
長ボルト使用法

バッテリーマイナスターミナルまわりは、見映えよくリッチにアーシング用の銅製ターミナルに付け替えたいところですが、今回は、とっても経済的な長いステンレスボルト(メッキボルトの方が良いかも)で共締めしていきます。この「長ボルト使用法」でも電気抵抗には大差ないようです。マイナスターミナルのボルト(M6)は、先が潰されていてそのままではナットが抜けないため、その部分を金(かな)のこぎりで切断して、ボルトを交換します。ナットは高さ(厚み)のある特殊なものですので、そのまま流用しますから捨てないで下さい。

写真:ケーブル中継部分
ケーブル長節約のため中継

最後の注意点は、各所アーシング用のボルトは真鍮(?)製で非常に柔らかいので、締め過ぎてネジ山を潰さないように気をつけて下さい。ちなみに私は2本、潰しました(ダメじゃん...)。気をつけよー。そうしよー。

アーシング後の電圧降下結果

図:アーシング後の電圧降下測定結果

準備編の写真と比べてみてください。どうですか?アースケーブルを追加してやることで、抵抗がグッと減って、電圧降下がググッと減りました。ボディ周り3ヶ所の1mV台が気に入らない人は、これらに14sq、22sqの太いケーブルを使えば、より電圧降下を減らせるかもしれません。

アーシングの主な効果

前回のレポート中にも書きましたが、キー位置がACC(アクセサリ)で電圧降下が7mV程度ある場合には、アーシングの効果を体感できるでしょう。今回のパジェロイオ(平成10年型 ZR 1800cc )の場合は、

  • ヘッドライトが明るくなった
  • エンジン音が少し静かになった
  • 中速域(20~60km/h)で伸びるようになった
写真:ヘッドライト 明るさの差
右:施工前 左:施工後 実際はもうちょっとインパクトあります

ヘッドライトは違うバルブに付け替えたかのように明るくなりました。写真はあくまでイメージですが、このぐらいのインパクトがあります。おかげで以前よりまして、交差点や踏切待ちの時など、気を遣ってこまめにライトを消すようになりました(笑)。

期待していた低速域でのトルクアップはありませんでした。出足のトロさは全く変わりません。残念です。その代わりといっていいのか、中速域での伸びが少し出るようになりました。後ろから押されるような力強さを感じるし、定速走行の時には、以前よりアクセルを踏まなくても一定速度を維持できる感じです。街乗りにはちょっと有利になりましたね。

全般的な感想としては、イオがちょっと若返った感じです。新車同然とは言いませんが、昔のわんぱくだった頃の姿(今も元気だけど)を取り戻せたかな、と思っています。あとはやはり、気になるのが燃費です。これが良くなっていれば「アーシング成功!」と胸を張って堂々と生きていけるというものです。結果が待ち遠しいなぁ。乞うご期待!

【2007/12/05 追記】
アーシングしてから4年間以上、乗り続けてみた感想ですが、燃費はほぼ変化無しです。残念ではありますが、中低速でのトルクが少し強くなった印象はあるので、多少乗りやすくなったとは思います。アーシング@パジェロイオ 準備編(017)」もご覧ください。

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