失業したらやるべき手続き(025)

「失業」。失業率5%を超えるようになってから、非常に身近な言葉になってしまいました。私自身、2度目を経験中(レポート執筆時)ですし、友人やご近所さんを含めれば、常に誰か1人は失業状態にある状況です。あぁ、早くいい職場を見つけたいなぁ。失業したら、いくつか自分でやらなくてはならない手続きがあります。ちゃんとしておかないと結果的に損をしてしまうので、面倒くさがらずに是非やって欲しい手続きなのですが「ハローワークや役所に行くのが面倒くさいので行かない」という声をよく聞きます...。「アホですね。サラリーマン体質の抜けないそんな人材だと再就職も難しいでしょ?」とは私の心の声。これらの手続きは、生活を守ってくれるしくみを利用するために行うものなのです。誤解している方もいるようなのですが、国や他の誰かのためではなく自分自身のために行うことなんですね。やるべきことをキチッとやって、安心して次の職探しを進める足場を固めましょ。

4つの手続き

会社員が失業した場合、手続きをしなくてはならないのが健康保険と年金。場合によって必要になるのが確定申告(納税)。しておくと非常に助かるのが失業給付受給申請。という風に意味合い的に分けられます。

健康保険と年金は、お近くの役所、役場で手続きします。後述する必要となる書類を揃えて窓口に提出すると、住所、氏名など基本的な項目を記入する程度で手続きは完了です。時間は両方合わせても1時間はかかりません(混雑時は除く)が、世帯内に誰も国民健康保険加入者がいない場合、保険証は数日後に郵送されてきます。すぐ保険証をもらえるわけではないので、ご注意下さい。

年金は手続きに行くと、翌月ぐらいには国民年金保険料を納めるための「納付書」が送られてきますから、これを持って郵便局や銀行の窓口で納めることになります。手続きしなくても再就職先に年金手帳を渡すと、未納月が分かるので後から納めていない分の納付書が送られてきます。

写真:銀行通帳

確定申告は、年末調整をしてもらえる時期に再就職が間に合えば行う必要はありません。年末調整は毎年12月に行われるので、その時に前の会社から送られてくる源泉徴収票を再就職先に提出すれば確定申告は不要です。再就職できなかった場合には、確定申告をしなくてはなりませんが、昨年から国税庁ホームページで確定申告書を作るサービス(カラープリンターが必要)が開始されているので、以前に比べれば手軽に行えます。

失業給付受給申請は先の3つの手続きと違って、手続きをしなくても違法行為にはならない任意的な制度です。ですが、しないと大損するのはあなた自身なので、何よりも先に手続きして下さい(個人的な心情としては不信&不透明な年金なんかよりもよっぽど大事!)。雇用保険の受給期間は、離職した日の翌日から1年間なのでお早めに。手続きは、あなたの住む地域を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に行って「求職申込み→受給資格の決定」から始まります。これにかかる時間も1時間程度ですが、午前中は非常に混み合うので、午後に行った方がいいですヨ。

手続きに必要な書類や物

  健康保険 国民年金 確定申告 失業給付 主な入手先
年金手帳       勤務先
国民保険証
(世帯に国民保険加入者がいる場合)
      役所、役場
退職証明書等
(退職を証明する書類)
  勤務先
離職票(-1、2)       勤務先
雇用保険被保険者証       勤務先
印鑑  
住民票、運転免許証等
(住所、年齢を確認できる官公署発行の書類)
     
写真1枚
(3cm×2.5cm程度の大きさ)
       
本人名義の普通預金通帳      

それぞれの手続きに必要なものや書類等の主な入手先は表をご確認下さい。書類に張ってあるリンク先は、ハローワークインターネットサービスに用意されている記入例のページです。確認用にご覧下さい。

失業給付受給申請をする

写真:失業給付申請の待合風景

紹介した4つの手続きの中で、一番面倒くさい、でも一番大事な失業給付受給申請についてスムーズに終わらせるコツをご紹介します。まずハローワークに行く日を決めましょう。受給申請をした日の週と曜日によって、毎月の認定日が決められてしまいます。第何週の何曜日に行くのか、ほかの予定と重ならないような日を選びましょう。

  • 説明会 ... 手続きの日の2週間後同曜日
  • 最初の認定日 ... 手続きの日の4週間後同曜日
  • その後の認定日 ... 最初の認定日の4週間後同曜日

ハローワークに実際に行ったら、総合受付で「失業給付受給申請をしたいのですが?」と尋ねて下さい。「求職票」を渡され、最初に「求職申込み」をしなくてはならない旨を告げられます。これには住所、氏名等の基本的な個人情報の他に希望する職種、給与額、勤務地などを記入しますので、これらの条件を事前に整理しておきましょう。>> ハローワークインターネットサービス:求職票の記入例

書き終わったら、指示された窓口に「求職票」を提出すると、職員さんによる簡単な口頭での内容確認の後、求職受付票をもらいます。その時に受給申請する場合は、次に行く窓口と必要な書類の確認をしてくれますので、よく聞いて指示に従って下さい。

次の窓口では、離職票他上記の必要な書類一式を提出すると、「受給資格者のしおり」を受け取り、今後に予定される説明会や認定日の説明もしてもらえるので、もし認定日などのスケジュールについて要求があるようなら、この時に相談して下さい。多少の調整はしてもらえるようです。

説明会というのは、失業給付の意味や具体的な今後の日程についての説明が行われ、認定日というのは、その日まで失業状態であったことを確認する日のことです。ここでは、特に何かを詳しく聞かれるわけではなく、確認程度の質問があるぐらいです。どちらも必ずハローワークに行かなくてはなりませんし、時間や日にちの変更もかなりの制限を受けます。くれぐれもご注意下さい。

いろいろと制限を受ける面倒くさい失業給付ではありますが、毎月ハローワークに行けば給付金が貰えるので、腰を据えて就職活動に集中できます。失業という困った状態におかれた場合のために、毎月保険料を払っているのですから、利用しない手はありません。認定日も就職活動の一環と考えて、必ず利用するようにしましょう。

【余談】年金について思うこと

日々、不信感が募っていく年金制度。最近では、一部の人を対象に強制徴収の動きをみせていますが、セットで考えなくてはならない少子化問題にも何の解決策も出せていない状況下では、年金制度に老後を頼るのを諦めて保険料を納めない人の気持ちが、よーく分かります。誰だって損はしたくありません。無事に長生きしたとしても、ちゃんと受け取れず元がとれなくなってしまう制度などに、誰がお金を払うのでしょう。国民をバカにし過ぎていますね、政治家と官僚は!

日本の年金制度は、世界的にも非常に珍しいタイプの制度だと思います。納付開始の20歳から数えると、45年も先の老後のためにお金を払い始めなければなりません。45年先...、まだ日本という国はあるのでしょうか? もし第3次世界大戦が起これば、人類が滅亡してもおかしくないほどの技術力を私たちは既に持っています。45年経てば、加速度的に技術が発達して、お金という存在自体が不要になるかもしれません。つまり、全く見通しも立たない未来のために、お金を払う制度と言い換えることだってできてしまうんですね。

さらに不況下で国民が苦しんでいる現状で、大して助けもしないくせに国は「俺が老後を支えてやるから安心して金を払え」と迫ってきます。すでに給付金が減っていっているのにぃ...(>o<)。うーん、まるで詐欺師のようです。そんな説得力がないことを言われて誰がだまされるのでしょう? なまじ合法的な機関であるだけに、詐欺師など相手にならないほど性質(タチ)が悪いです。「全く見通しも立たない未来のために」国民にお金を払わせるなら、見通しが立つような信頼できる制度にするのが国の務めではないでしょうか? 積立金を悪用してヘンテコな建物をへき地に乱立させるのが、国の仕事じゃないんですよ。

国の財政が破綻しかけ、出生率の落ち込みが目立つようになってようやく、年金問題と少子化問題が表裏一体の存在であることが浮き彫りになってきました。この年金制度をこれから先も続けていくには、まず少子化に歯止めをかけなくてはならないのは明らか。そのためには治安向上も大事だし、養育費を賄うために減税して家計の負担を軽減することも必要でしょう。そうやって国民が安心してゆとりある生活ができる環境を整えることが、年金問題と少子化解決の第一歩です。

ちょっと考えれば、誰だってそう考えると思います。
でも政治家はやってくれません。...だって官僚から主導権を奪えないから。
その官僚もやってくれません。...だって国民はお金を納める家畜同然と思っているから。

こいつらに「公僕」の意味を教えてやりたいよーぉ!
何の解決もできない日本政治への関心? そんなの失われて当然です。
ちっとは仕事して、結果出してからモノ言って欲しい!

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.2.7